短頭種気道症候群にSGLT2阻害薬を使用した犬6頭の効果検討
〇 土井公明1), 樋渡敬介2), 堀正敏3), 水野理介4)
1)どいペットクリニック, 2)御殿場インター動物病院, 3) 東京大学大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室, 4) 岡山理科大学獣医学部獣医学科獣医薬理学教室
短頭種は、遺伝形態、生活環境、不妊手術などに関連した肥満によって慢性呼吸不全(形態的および神経的)を発症しやすく、その長期の睡眠負債・障害によって、フレイルに陥る可能性が示唆されている。短頭種気道症候群(Brachycephalic Airway Syndrome、以下 BAS )の治療は、原因となる上気道閉塞を解除する外科療法が基本であり、高齢個体では手術侵襲の影響や術後のQOL管理が特に重要視されている。一方内科的治療は、体重の減量が有効な手段の一つである。今回、短頭種肥満犬で呼吸障害を伴う症例にナトリウム・グルコース共輸送担体2阻害薬(以下SGLT2i)を処方した6例の効果検討を行った。著効例では1-2日後には呼吸障害や睡眠障害の改善傾向を示し、多くの症例で長期的な体重減少効果が得られた。SGLT2iの持つ適度な利尿と抗炎症作用は、BASに対して短期的には咽喉頭浮腫炎症の軽減による呼吸改善効果、長期的には体重管理を含めた舌根の肥厚予防が期待でき、時に致死的にもなるBASに対して内科的管理を可能とする薬剤と考えられる。
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