★1位
外傷
爪が折れる/足のパッドが剥ける/足を踏まれる/高いところからの転落(骨折・打撲)/犬同士のケンカ/尻尾がドアに挟まる
・・・などです。外傷の中でも圧倒的に足の損傷が多いです。
【解説】
観光地では当たり前ですが、みな「観光」しています。
歩きながらお店を見たり、おしゃべりをしたり、風景をみたりして、足元を見ながら歩いている人はあまりいません。
また、足を踏まれるケースを考えると、踏んだ人はもちろん、飼主さんでさえ周りに気をとられ自分の足元を見ていないことが多いのです。
【対策】
人混みは一緒に歩かない(抱っこする)
連れている人は常に進行方面に注意する
リードを短くする 実際に見かけた対策方法
鈴をつける(古典的ですが、周囲は気がつきます)
派手な洋服を着る(飼い主・ペットとも。恥ずかしいですが、どうしても一緒に歩きたい場合)
◎注意犬種:ミニチュアダックスフント/チワワ
★2位
元気がなくなる
動きが鈍くなる/辛そうな顔をする/胃液を吐く/下痢をする
【解説】
出発時は飼主さんと一緒になって元気だったのが、だんだんと元気がなくなり落ちこんでしまう。
車の中でのはしゃぎすぎや車酔い、知らない環境でのストレスが原因だと思われます。
【対策】
普段より車の乗車に慣れておく
車中では、過剰に興奮させない
移動中、休憩時間を必ず入れる 実際に見かけた対策方法 ペット専用のシート(ベット)が車にある
出発前に移動中の休憩ポイントを決めておく 注意犬種 シーズー/パグ/ミニチュアダックスフント/チワワ
★3位 熱中症
ぐったり/意識混濁/嘔吐/体が熱い/下痢をする
【解説】
観光地でショッピングをしている間、一時的に車に犬を置いていく場合。
例えそれが1時間程度だとしても犬は車の中で興奮し、車に帰ってみると意識なしの昏睡状態。
とにかく注意しましょう!熱中症! 対策 車に犬を置いていかなない。
【実際に見かけた対策方法】
旅行中は、順番を決めて車お留守番係を決めておく。
◎注意犬種 あらゆる犬種。
特にパグやブルドックなどの鼻の短い犬種
※夏は、本格的な暑さとともに、熱中症で来院される件数が増加します。
ドライブ時に限らず、普段のお散歩、お留守番、買い物時には暑さ対策を忘れないように、十分注意してください。
●…準備編
車に慣れる まず、車に慣れることです!
慣れていないのにも関わらず長距離を移動したり、生後間もない子犬を連れて行くのも問題外です。
最初は軽いドライブ。10分程度で十分です。徐々に距離を伸ばしていきましょう。
2時間以上のドライブを行うためには短めの距離で最低10回の乗車経験はあったほうが良いでしょう。
次に、ペットの居場所です。後部座席にペットをおきましょう。
助手席をペットの場所とすると、ペットが気になってしまい運転がおろそかになる可能性があります。
普段慣れているからといっても、行楽地ではカーブの多い山道などもあります。
いつものような感覚で運転していると大きなカーブなどでペットが転がり、それを防ごうとして片手を出しハンドルを取られるケースが大変多いです。
(恥ずかしながら、私もヒヤッとした経験があります)
ペットは後部席に用意したペット用のベット(マット)や付き添いの人がダッコしているようにしましょう。
●…用意するもの
出発前にたいていの飼主さんは水、食事(おやつなど)、洋服、タオル、ティッシュは用意しています。
完璧にそろえる必要はありませんが、もしもの時に役に立つものを紹介します。
◎新聞紙:あらゆる場面で使えるのであって損はありません。
◎ビニール袋:意外と持参していないのがこれです。
車酔いで嘔吐をしてしまったときや車内で粗相をしてしまった時に役に立ちます。
小さいビニール袋を少なくとも10枚は常備しておきたいものです。
◎ペットシーツ:車中で急にソワソワしている。
なにか吐きたそうなとき、大きめのペットシーツを持参しているとナイスキャッチできます。
それらを、すぐにビニール袋に入れれば車内のにおい拡散の防止にも役立ちます。
ドライブ中はすぐにゴミを捨てられません!
◎トイレ用ロールペーパー:汚い話ばかりになりますが、やはりドライブ中に困ってしまうのはペットの汚物処理についてです。
それらの汚物をゴミ箱に捨てるわけですが、トイレに流せればその後困る人もいません。
行楽地やインターチェンジのゴミ入れ口にペットのウンチが付着しているのをみたことがあります。
ペットとのドライブを社会に認められるためにも徹底したマナーが要求されます。
◎ゴム手袋:ペットの汚物処理や外傷時の緊急手当て時に役に立ちます。
出血箇所があればまずは圧迫して止血します。
血に弱いなれない人がやると、手につく血の感覚で貧血を起こしててしまう場合があります。
ゴム手袋ひとつで嫌な作業にもすぐに取り掛かれるし、冷静さを与えてくれます。
◎緊急用リード:手作りでも構いません。私はこれを重宝しています。
しかけは、首にくくるだけだけ。やられたペットにとっては迷惑ですが、リードから離れてしまうトラブルって実に多いです。
やっと休憩で車から降りる瞬間、飼主が降りてないうちにペットに引っ張られてリードをはなしてしまうパターンが大変多いです。
すぐそこにいるのに捕まえられない。もどかしい状態が続きます。
ひっかけリードさえあれば、とりあえず言葉は悪いですが捕獲できます。
その後ゆっくり首輪や胴輪にリードをつければいいのです。
私は仕事柄、車に常時5本程おいてあるのですが、数ヶ月で補充しないとなくなってしまいます。
往診時、行楽地、ドライブインでひやひやしている人は必ずリードを手放してしまいます。
車がビュンビュン走る横で犬がテクテク散歩をしているとさすがに放っておけず、車からリードを出し捕まえて飼主にそのまま差し出すことになります。
3時間もの間、行楽地の駐車場で格闘している飼主さんがいたこともあります。
リードで捕まえたら3分で終わりました。意外と知られていないアイテムです。
(左)ペットシーツ (中)ロールペーパー (右)ゴム手袋
●…移動編
「先生、ドライブ中の休憩はやはり2時間おきぐらいにしたほうがいいのでしょうか?」
こういった質問をよく聞きます。
当院はご存知の通り御殿場で東北方面に行く場合は2時間後は首都高またっだなかです。東北方面にいくかぎり2時間後の休憩は無理です。
そこでいろいろと移動している方の話を聞くと、慣れているペットなら必ずしも2時間毎に休憩する必要はないようです。
むしろ、休憩所での散歩でトラブル(放れてしまう、誤飲する、怪我をする)ことも多いのも事実です。
急がす、ゆっくりとペットにあった速度で、車内が穏やかなら長距離を一気に乗っても大丈夫かと思われます。
ただし運転する人のほうが休憩が必要かと思われます。いつもより運転に気を使い知らない間に肩に力が入り疲れてしまいます。
ペットもそうですが人のことも考えてやはり2時間に1回ぐらいがよさそうだということになります。
●…行楽地編
順調なドライブが続き無事、行楽地に到着したらすぐに動きまじめるのはよしましょう。
車から降りたらすこしの間、その土地の気候や匂いを感じさせてあげましょう。
我々人間は、知らない間に山だから寒そうだ、海だから暑そうだとか、自然に土地に合わせよとしますが、ペットはその土地が暑いところか寒いところか分かりません。なんの情報もありません。身体にゆとりを与えてあげしょう。
そして、出発です。
リードは短く足元に注意して飼主さんと一緒に歩いてください。通行人に気をつけて存分に楽しみましょう。
自然の豊かなところであれば、犬としての五感が研ぎ澄まされるかもしれません。風や木々の匂いに触発されいつもと違った一面をみせてくれるかもしれません。
人が多いショッピングでしたら、ペットにとっては面白くありませんがいつもと違った空気で飼主さんと歩くのも刺激に満ちていいかもしれません。
ただし、人混みに怯えているようなら迷わずダッコ、または引き返して中止ししましょう。
いずれもペットの状態にはいつも以上に気にかけてあげましょう。
●…帰路編
帰りのほうがおとなしくしているほうが多いようです。やはり遊びは疲れます。ゆっくりできるようにやさしいドライブを心がけましょう。
また、渋滞に遭遇すると思うような休憩もできなくなります。
以前、東名高速で大渋滞中に道横で犬にオシッコをさせている人を見かけたことがありますが危険ですので絶対にやめましょう。
渋滞情報は早めにキャッチして、途中で休憩をとるのか、いまここで休憩してしまって渋滞にはまるのか、おとなしくしているのでこのまま突破するのか冷静な判断をして下さい。
●…帰宅編
無事到着です。
荷物を降ろして、ペットも降ろして、みなさん疲れているのは重々承知ですが、いつも行きなれている家の近くの散歩コースがあれば少し歩かせてあげましょう。
いつもの場所の匂いを嗅ぎ、オシッコをすればペットも一安心です。
人もぐったりです。
そうです。
ペットを連れたドライブって意外と人も疲れるのです。
おまけにレストランや施設、ショッピングのお店にだって一緒に入れないことが多い。
誰かしらが面倒を見てあげないといけないのです。
ですから、行楽地を楽しむという点では半減してしまうかも知れません。
けれども、普段みられない大人ぶりや表情を見られたとしたら、また気がつかなかった弱さを見られたとしたら、十分な収穫有りではないでしょうか。
いつか日本がペットドライブ先進国となり、きちんとしたマナーでドライブする光景が日常的になったとしたら、これほど嬉しいことはありません。
生活様式や価値観が変化する中で、犬やねこなどの身近な動物たちを家族の一員として共に暮らす人々がふえています。
阪神淡路大震災では、避難所において犬やねこなども被災者とともに避難生活を送っている心温まる光景がみられました。
動物たちは、被災者の不安な心をなごませ、見知らぬ人々とコミュニケーションの機会を与えてくれましたが、避難所での共同生活においてはペットにかかわる問題も発生しました。
ここでは、東海地震に備えて静岡県保健衛生部が作成した避難所のペット対策マニュアルを紹介します。
【共同生活】
避難所において、被災したペットと共に生活するためには、飼主が責任を持って飼育することが原則ですが避難所の責任者や他の被災者の理解と協力が大切です。
責任者の理解と協力避難所の責任者は、ペットも災害を生き延びた命であり被災者が互いに助け合いの気持ちを持って共同生活するよう呼びかけましょう。 話し合いの場 避難所の責任者は、ペットを伴った被災者と他の被災者との話し合いの場を必要に応じて設けてください。
【ペットによる効果】
・ペットを介してコミュニケーションが図れる
・ペットが周囲の被災者の心をなごませる
・ペットがいることで心が落ち着く
・ペットがいることで生きる意欲がわく
・ペットが日常性を与えてくれる
飼育者の把握 避難所において、ペットを伴った被災者を迅速かつ的確に把握することは、ペットの適正な飼育を推進し、避難所の円滑な運営を図るために大切です。 飼育者の届け出 避難所の責任者は、ペットを伴った被災者に対して、次の内容を届けだすよう呼びかけをしてください。
・飼育者の住所と氏名
・動物の種類と数
・動物の特徴(性別・体格・毛色・その他)
【飼育者の整理】
避難所の責任者は、届出に基づき、一覧表を作成すると何かと便利です。 飼育管理 ペットの飼育場所を配慮し、飼育者への注意を促すことはペットにかかわるトラブルを未然に防止することに役立ちます。 飼育場所 避難所の責任者は、避難所の収容能力や次のことを勘案しペットの飼育場所を指定することも必要です。
室内でペットと共に生活する被災者と他の被災者との生活場所の割り振りに注意しましょう。
ペットの種類、大きさ、性質、しつけの有無などにより室内での飼育を容認できない場合は、廊下・踊り場又は野外の飼育場所を指定しましょう。 飼育ルールの徹底 避難所では、ペットの飼育ルールをつくり、飼育者にちらし等を配布して徹底させることも大切です。
(ちらし等の例)
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飼主の皆様へ
避難所では、多くの人たちが共同生活を送っていますから、ペットの飼主は次のことを守ってください。
●ペットは、指定された場所でつなぐかケージなどで飼いましょう。
●飼育場所・施設は清潔にし、必要に応じて消毒をしましょう。
●ペットによる苦情・危害防止に努めましょう。
●屋外の指定された場所で排泄させ、後始末をしましょう。
●給餌は時間を決めて、その都度片づけましょう。
●ノミの駆除に努めましょう。
●運動やブラッシングは、屋外で行いましょう。
●飼育困難な場合については、○○○動物救護センターに相談しましょう。
○○○避難所責任者
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ペットの救護活動 避難所で飼育されているペットへの救護活動として、次のことが考えられます。
・ペット用物資の配布(ペットフード、ペットの日用品等)
・ペットの負傷や病気の治療
・ペットに関する相談
(一時預かり、里親探し等) 救護活動の情報
被災ペットの救護活動が開始された場合には、テレビ、ラジオ等により報道されます。
避難所の責任者は、飼育者と共に、情報の収集と提供に努めましょう。
※災害はいつ起きるかわかりません。もしもの時のために、日常的に使用するペット用品はすぐわかる場所に置きましょう。
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