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平成27年度 静岡県獣医臨床研究会 共同研究発表 その2 2015/03/15
小動物獣医臨床におけるデジタル尿糖計の応用とその評価

◯土井 公明1)、樋渡 敬介2)、水野 理介3)、横須賀 誠4)

1)どいペットクリニック(藤枝市)、2)御殿場インター動物病院(御殿場市)
3)東大大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室
4)日獣大獣医学部獣医学科病態獣医学部門病態解析学分野
Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)

【はじめに】
現在、小動物臨床における尿糖値検査は、試験紙による比色方法が一般的である。偽陽性を含め尿糖正常値(100mg/dL)以下の検討は、未だ十分に行われていない。今回、尿糖値を広範囲(0-2000mg/dL)かつ正確に測定することを目的にデジタル尿糖計を導入した。イヌとネコで無作為に尿糖と血糖を測定したところ、尿糖値が100mg/dL未満の正常群について興味深い知見が得られたので報告する。
【材料および方法】
どいペットクリニックおよび御殿場インター動物病院を受診したネコ124頭イヌ233頭のうち、正常尿糖値のネコ116頭イヌ218頭の検査値を用いた。採尿および採血を実施し、院内または飼育者宅にて尿糖値および血糖値を測定した。採尿は自然排泄尿、用手的圧迫排尿、カテーテル採尿のいずれかの方法で採取した。尿糖の測定はタニタデジタル尿糖計UG-120を用いた。血糖値は二プロ社フリースタイルフラッシュまたはAvaxis社VetScanVS2を用いた。
【結果】
ネコ116頭中8頭(6.5%)、イヌ218頭中15頭(6.4%)が高尿糖値(<100mg/dL)を示した。ネコの尿糖値(32±13mg/dL)ならびに血糖値(91±13mg/dL)は、イヌ(尿糖値36±17mg/dL、血糖値94±14mg/dL)に比べて有意に低値を示した。ネコイヌの尿糖値は、共に年齢に依存して有意に増加した。また、性差や避妊の有無によって尿糖値の異なることが判明した。
【考察】
今回用いたデジタル尿糖計は、尿糖値を広範囲に正確に迅速測定するために極めて有用なデバイスであることが判明した。そして、今回の検査は、生理学的条件におけるネコやイヌの尿糖値を正確に把握することを可能とし、これらの数値を理解する事が病態予測や疾患予防に有効であると示唆された。
平成27年度 静岡県獣医臨床研究会 共同研究発表 その1 2015/03/15
テルミサルタンは、イヌのサルコぺニア-フレイルに有効である
◯土井 公明1)、樋渡 敬介2)、水野 理介3)、横須賀 誠4)

1)どいペットクリニック(藤枝市)、2)御殿場インター動物病院(御殿場市)
3)東大大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室
4)日獣大獣医学部獣医学科病態獣医学部門病態解析学分野
Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)

【はじめに】最近、コンパニオンアニマルの超高齢(化)は、社会を取り巻く様々な臨床獣医学的問題を発生させる事が顕在化してきた。すなわち、老年症候群の一つであるサルコペニア-フレイルは、動物のみならず飼い主に多大な精神的肉体的負担を強いることである。サルコペニア-フレイルは、骨格筋や神経反射の衰えが進行し、精神活動の変化を併発することが知られている。ヒトのサルコペニア-フレイルにおいては、早期治療介入によって予防や顕著な回復が認められ、要介護までの期間延長が可能である事が明らかとなってきた。今回我々は、アンジオテンシンIIタイプ1(AT1)受容体阻害薬であるテルミサルタンは、イヌのサルコペニアーフレイルに対して有効である事を確認したので報告する。
【症例】後肢筋肉量減少、四肢不全麻痺ならびに瞬発力低下を呈したイヌ22頭(10-17歳)にテルミサルタン(0.3-1mg/kgSID)投与した。対象犬には、認知障害や沈うつ、旋回、ヘッドプレスなどの精神活動の変化を呈する個体も含んだ。評価は、飼い主の禀告および診察時の行動観察で行なった。
【結果】22頭のうち著効6例、改善13例、変化なし3例であった(改善率:86%)。改善例のほとんどは、性格が明るくなった、物事に対する反応が良くなった、瞬発力の回復、散歩距離の延長などが禀告で得られた。精神活動の変化を呈するイヌでは飼い主のコマンドが理解できるようになる、ボール遊びを要求する、後退運動が可能になる、旋回運動の消失、コミュニケーションの回復などの禀告が得られ、認知機能の回復と生活の質の改善が認められた。1mg/kgSIDの処方例で元気になりすぎ興奮して無駄吠えが多くなり休薬した個体があった。食欲不振1例、下痢1例、多飲多尿1例が認められたが内服量を加減する事で改善した。
【考察】テルミサルタンによるAT1受容体阻害は、AT1受容体を介する血管収縮を解除するのみならず、AT1受容体に相反するAT2受容体、AT4受容体、Mas受容体を介する作用を増強すると考えられる。これらの複合作用を介する微小循環改善は不全麻痺を回復し、また脳循環改善(脳間質液清浄化作用、血液脳関門保護作用)により精神活動の回復が得られたと考えられる。

微小循環 犬 イヌ サルコペニア フレイル アンジオテンシン ARB テルミサルタン セミントラ 四肢不全麻痺 超高齢ペット Glymphatic System The Nasalymphatic pathway PPARγ
平成27年度 静岡県獣医臨床研究会 発表しました 3月静岡 2015/03/15
テルミサルタン(ARB)は、ネコ鼻炎症状を緩和する
◯樋渡 敬介1)、土井 公明2)、水野 理介3)、横須賀 誠4)

1) 御殿場インター動物病院(御殿場市)2)どいペットクリニック(藤枝市)
3)東大大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室
4)日獣大獣医学部獣医学科病態獣医学部門病態解析学分野
Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)

 小動物開業獣医師は、ネコ鼻炎症状を臨床の場で多く経験する。鼻炎治療では、ネコのおかれている多様な環境因子に依存して、ステロイドや抗生剤の長期投与が必要とされる場合がある。これら薬剤は、副作用や生体の恒常性維持に重要な働きを果たす腸内フローラの崩壊を惹起する可能性が考えられる。今回我々は、鼻炎症状に対する治療を1年以上受けていないネコ8例(2〜12歳)を対象として、アンジオテンシンIIタイプ1受容体阻害薬であるテルミサルタン(ARB)とプレドニゾロン・抗生剤とを併用したグループ4例と、ARB単独で使用したグループ4例に分けて薬剤効果を比較検討した。薬剤効果の評価は、治療開始3,7,14,28日目に鼻水(量、性状)・鼻閉・嗅覚障害を(3,2,1,0)の4段階評価として、来院時に効果判定を行った。治療開始前半において、ARB単独投与グループでは、併用したグループとほぼ同等の改善効果が認められた。治療開始後半において、ARB単独投与グループよりプレドニゾロン・抗生剤と併用したグループの方が安定した症状が得られたが、ARB単独投与グループでも同等の症状が認められる症例もあった。ARBは微小循環を改善することが知られており、今回のネコ鼻炎ではARBが一時的に鼻腔内の血流を促進させて鼻水をウッシュアウトさせることによって鼻炎症状の緩和に貢献したと考えられた。今回の結果によって、ネコ鼻炎において治療初期と定期的なARBの投与は、ステロイドや抗生剤の投与量を減らし、これら薬剤に由来する副作用や腸内フローラ崩壊を予防することに有効である可能性が示唆された。

微小循環 猫 ネコ アンジオテンシン ARB テルミサルタン セミントラ 鼻炎 腸内フローラ Glymphatic System The Nasalymphatic pathway PPARγ
平成27年度 日本獣医師学会学術大会 共同研究発表 2015/03/15
テルミサルタン(ARB)投与が著効を呈した不全麻痺の犬の二例

1)どいペットクリニック(静岡県)、2)御殿場インター動物病院(静岡県)、
3)東大大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室、
4)日獣大獣医学部獣医学科病態獣医学部門病態解析学分野、
Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)




【はじめに】 高齢動物でしばし遭遇する疾患の一つに、犬の四肢不全麻痺がある。これらの多くは、体躯の筋肉や神経反射の衰えとともに進行性に発症することが知られている。今回我々は、アンジオテンシンIIタイプ1受容体阻害薬(ARB)であるテルミサルタンが四肢微小循環を改善し、不全麻痺の治療に有効であるという新しい治療戦略をたてた。また、非接触型赤外線温度計による足先温度上昇を指標とした微小循環改善評価方法を新規導入した。今回は、テルミサルタンが犬不全麻痺症状を顕著に改善した2例を報告する。
【症例】 症例1、柴犬14歳1ヶ月齢、未避妊雌、体重8.8kg、散歩中つまずいて転倒するとの主訴で来院した。受診時、身体検査及び歩様検査で異常なし。循環改善を目的にテルミサルタン1mg/kgSIDを処方した。第1病日に症状が消失。第2病日に庭を走り回る。第8病日には散歩の距離が伸び、活発になりすぎて鳴くため8日間の投薬で休薬した。内服中は食欲が低下した。休薬後、足先温を非接触赤外線温度計で測定した。足先温が24℃以下に低下した時に再度症状が見られ、0.5mg/kgSIDを投与した。8時間後には足先温が30℃になり症状も消失した。翌日以降、足先温の低下と症状もないため単回投与のみで良好に維持している。症例2、シーズー、15歳9ヶ月、雄、体重5.2kg、4ヶ月前からの後肢不全麻痺が進行し、起立不能になったとの主訴で来院。座位で後肢を前方に伸展し、前肢で体を支える姿勢であった。また、食欲はあるが沈鬱であった。テルミサルタン1mg/kgSIDで処方したところ、第4病日に鳴くようになり、第10病日に歩行し、第30病日には2kmの散歩が可能となった。
【考察】 高齢動物は筋力低下、筋萎縮、協調運動障害、知的機能低下など人の高齢期の廃用症候群と似たような経過をたどる。今回、犬の不全麻痺の治療を通じて、1)非接触型赤外線温度計は、四肢微小循環の評価に有用である、2)不全麻痺は、四肢微小循環低下によっても生じる可能性の示唆、3)テルミサルタンは、高齢犬の不全麻痺の改善に有効である事を見出した。また、症例1で精神高揚による身体活動の活発化が観察された点や、症例2で期待した末梢循環改善のみならず劇的な全身状態が奏功したことから、テルミサルタンは、末梢組織のみならず中枢神経系の微小循環改善とそれに伴う中枢神経賦活効果を有することが示唆された。

微小循環 犬 イヌ サルコペニア フレイル アンジオテンシン ARB テルミサルタン セミントラ 四肢不全麻痺 超高齢ペット Glymphatic System The Nasalymphatic pathway PPARγ
平成27年度 日本獣医師学会学術大会 発表しました 2月岡山 2015/03/15
テルミサルタンによる高齢猫四肢麻痺症状に対する新しい治療戦略:サーモグラフィーイメー

ジング(TGI)による評価

◯樋渡 敬介1)、土井 公明2)、水野 理介3)、横須賀 誠4)

1)御殿場インター動物病院・静岡県 、2)どいペットクリニック(静岡県)、
3)東大大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室、
4)日獣大獣医学部獣医学科病態獣医学部門病態解析学分野、
Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)


【はじめに】小動物開業獣医師は、ペットの高齢化にともなう猫の四肢麻痺を臨床の場でしば

し経験する。四肢麻痺猫において、高齢による筋力低下やクリニックでの積極的な検査治療に

よる過度のストレスが予期せぬ全身性リスクを惹起する危険性の存在が指摘される。したがっ

て、高齢猫四肢麻痺に対して、より安全で効果的な検査治療方法は、未だ確立されていないの

が現状である。今回我々は、高齢猫に身体的かつ精神的負担を最小限とする検査方法を確立す

るために、非接触型赤外線TGIを新たに導入し、末梢組織微小循環動態の指標として耳介およ

び四肢末端の表面温度変化を評価した。そして、末梢組織微小循環動態改善を目的とし、耳介

および四肢末端に低温度が認められた四肢麻痺高齢猫に対して、アンジオテンシンIIタイプ1

受容体阻害薬(ARB)であるテルミサルタンを投与し、興味ある新知見が得られたので報告す

る。

【結果】症例は、四肢麻痺症状を呈する雑種高齢猫(去勢雄:11才、避妊雌:15、17、20才、

平均16±4才)である。テルミサルタン経口投与(0.5-0.1mg/kgSID)は、4症例すべてにおい

て耳介および四肢末端の表面温度(24時間以内:2症例、72時間以内:2症例)を顕著に上昇さ

せることがTGIによって明らかとなった。また、テルミサルタンはすべての症例における四肢

麻痺症状を改善し、旋回運動を有する重症1症例では、その症状がほぼ消失した。

【考察】テルミサルタンは小動物臨床領域で、初めて猫慢性腎不全治療薬として2014年7月か

ら販売開始されたARB新薬である。今回の症例からテルミサルタンは、末梢組織微小循環改善

による高齢猫四肢麻痺に極めて有効であることが判明した。従って、テルミサルタンは、猫慢

性腎不全のみならず末梢組織微小循環不全に起因する様々な症状改善に有効であり、本症例か

らテルミサルタンの適応症拡大に繋がる可能性が示唆された。また、その評価に新規導入した

TGIは、高齢猫に対して非接触性で身体的に最小限な負担で微小循環動態を評価できる検査デ

バイスの1つであることが明確となった。今後、TGIは猫に限らず小動物臨床の場で臨床応用可

能な安全かつ安価で強力なデバイスとなる可能性が示唆された。

微小循環 猫 ネコ サルコペニア フレイル アンジオテンシン ARB テルミサルタン セミントラ 四肢不全麻痺 超高齢ペット Glymphatic System The Nasalymphatic pathway PPARγ
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