小動物獣医臨床におけるデジタル尿糖計の応用とその評価
◯土井 公明1)、樋渡 敬介2)、水野 理介3)、横須賀 誠4)
1)どいペットクリニック(藤枝市)、2)御殿場インター動物病院(御殿場市)
3)東大大学院農学生命科学研究科獣医薬理学教室
4)日獣大獣医学部獣医学科病態獣医学部門病態解析学分野
Japan Veterinary Microcirculation Research Center (JVMRC)
【はじめに】
現在、小動物臨床における尿糖値検査は、試験紙による比色方法が一般的である。偽陽性を含め尿糖正常値(100mg/dL)以下の検討は、未だ十分に行われていない。今回、尿糖値を広範囲(0-2000mg/dL)かつ正確に測定することを目的にデジタル尿糖計を導入した。イヌとネコで無作為に尿糖と血糖を測定したところ、尿糖値が100mg/dL未満の正常群について興味深い知見が得られたので報告する。
【材料および方法】
どいペットクリニックおよび御殿場インター動物病院を受診したネコ124頭イヌ233頭のうち、正常尿糖値のネコ116頭イヌ218頭の検査値を用いた。採尿および採血を実施し、院内または飼育者宅にて尿糖値および血糖値を測定した。採尿は自然排泄尿、用手的圧迫排尿、カテーテル採尿のいずれかの方法で採取した。尿糖の測定はタニタデジタル尿糖計UG-120を用いた。血糖値は二プロ社フリースタイルフラッシュまたはAvaxis社VetScanVS2を用いた。
【結果】
ネコ116頭中8頭(6.5%)、イヌ218頭中15頭(6.4%)が高尿糖値(<100mg/dL)を示した。ネコの尿糖値(32±13mg/dL)ならびに血糖値(91±13mg/dL)は、イヌ(尿糖値36±17mg/dL、血糖値94±14mg/dL)に比べて有意に低値を示した。ネコイヌの尿糖値は、共に年齢に依存して有意に増加した。また、性差や避妊の有無によって尿糖値の異なることが判明した。
【考察】
今回用いたデジタル尿糖計は、尿糖値を広範囲に正確に迅速測定するために極めて有用なデバイスであることが判明した。そして、今回の検査は、生理学的条件におけるネコやイヌの尿糖値を正確に把握することを可能とし、これらの数値を理解する事が病態予測や疾患予防に有効であると示唆された。
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